2014年11月6日木曜日

reST(reStructuredText) をライブプレビューできるエディター ReText を Windows にインストールする方法

reST エディター難民の皆様、いかがお過ごしでしょうか。reST in ピー(略

今回のタイトルは「reST(reStructuredText)をライブプレビューできるエディタ、ReTextをMacにインストールする方法」のパクリオマージュです。

タイトルの通り、ReText というライブプレビュー推し(自分が推しているだけで、作者さんがそこを推したいかどうかは不明)のエディターがあります。

ReText

当初は Linux/Mac 専用だと思っていたのですが、Windows でも動くらしいということが分かり、さっそくインストールしてみました。

一応 公式サイトの wiki に Windows 向けのインストール手順が書いてはあるのですが、情報が古いのか、その通りにやって何か所かハマったりしたのと、日本語で説明してある情報が少ない感じでしたので、自分の手順(公式 wiki 通り+α)を晒してみることにします。
あくまで 2014/11 現在、ReText 5.0.1 での手順になります。
なお文中に wiki との比較を示している箇所がありますが、あくまで現時点でのコンテンツとの比較です。将来の版にはあてはまらないかもしれませんので、ご承知おきください。

1. Python のインストール


ReText は Python 製なので、何はともあれ Python をインストールします。

こちらから最新版を落として入れます。


自分がアクセスした時点では、Python 3.4.2 が最新のようでした。

Download リンクをクリックして、適切なパッケージをダウンロードします。
自分の場合は、x64 環境でしたので、「Windows x86-64 MSI installer」をクリックして、インストーラーをダウンロードしました。他の環境の方は、それに応じたパッケージをダウンロードしてください。


インストーラーを落としたら、管理者権限で実行して、インストールします。
基本的に、デフォルトのままウィザード任せで問題ありません。


2. PyQt のインストール


ReText は GUI に Qt を使っているので、Qt の Python バインディングをインストールします。
riverbankcomputing から、先ほどインストールした Python のバージョンに応じたバージョンの PyQt をダウンロードします。


ここが最初のハマり所で、wiki は PyQt4 前提の記述になっているのですが、どうも古い情報らしく、ReText の最新版では PyQt5 でないと後でエラーが出て手戻りになりました。
Python 詳しい人はソースいじっていくらでも調整できるのでしょうが、こちらは有り物をおしいただくスタンスなので、ここではすなおに PyQt5 の方をダウンロードすることにします。


右側の「PyQt5」リンクをクリックして移動します。


下の方にスクロールすると、「Windows 64 bit installer」と「Windows 32 bit installer」のリンクがありますので、適切な方をダウンロードしてください。自分は x64 の方を落としました。


ダウンロードのためにホスティング先の Sourceforge に跳びますが、Sourceforge のダウンロードページは最近アダルトサイト並みに広告でウザいので、間違って変なとこクリックしないようご注意ください。基本、放置でダウンロードを開始するはずです。


落としたら、インストールしましょう。


後は基本的に、デフォルトのままウィザード任せで問題ありません。

3. 環境変数の更新


環境変数を更新します。
分かる人は項目と値だけ見れば分かると思うので、ここでは分からない人でも分かるように、画像多めでお送りしてみます。
Windows 8.1 環境なので、他のバージョンの場合は適宜読み替えてください。

まずデスクトップの PC アイコンを右クリックして、コンテキストメニューから [プロパティ] を選びます。

左にある [システムの詳細設定] をクリック。


[詳細設定] タブの [環境変数(N)...] ボタンをクリック。


3-1. PYTHONPATH の追加


[システム環境変数] 側の [新規] ボタンをクリックして、以下の変数を追加します。

変数名 PYTHONPATH
変数値 C:\Python34\Lib\;C:\Python34\Lib\site-packages\

パスは、インストールした Python のバージョンによって変わりますので、注意してください。

入力したら、[OK] を押して追加します。

3-2. Path の編集


[システム環境変数] から「PATH」を選び、[編集] ボタンをクリックして、先頭に以下の値を追加します。

C:\Python34;C:\Python34\Lib\site-packages\PyQt5\bin;

こちらも、インストールした Python と PyQt のバージョンによってパスが変わりますので、適宜読み替えてください。

変数名 Path
変数値 C:\Python34;C:\Python34\Lib\site-packages\PyQt5\bin;...

これうっかりすると環境壊すので、操作には注意してください。
自分はいったん外部エディター上にコピーして、そこで編集したものを貼り付けました。


変更したら、[OK] を押して確定します。

3-3. QT_PLUGIN_PATH の追加


第二のハマり所です。wiki には記述が無いのですが、このまま進むと Qt のプラグインにパスが通らずエラーや警告が出るので、ここで追加しておきます(参照 Deploying Plugins | QtDoc 5.3 | Documentation | Qt Project)。

[システム環境変数] 側の [新規] ボタンをクリックして、以下の変数を追加します。

変数名 QT_PLUGIN_PATH
変数値 C:\Python34\Lib\site-packages\PyQt5\plugins

パスは、インストールした Python と PyQt のバージョンによって変わりますので、注意してください。
入力したら、[OK] を押して追加します。


環境変数の追加が終わったら、ウィンドウをすべて閉じます。
なお、環境変数を追加する代わりに C:\Python34\qt.conf にエントリを追加する方法でもいけるような気がしていますが、特に試してはいません。

4. ez_setup.py の実行


パッケージ管理ツールを導入するスクリプト ez_setup.py をダウンロードして、実行します。



実行するとコマンドプロンプトが表示されますが、意外に早く終わったのでスクリーンショットは撮り損ねました。

とりあえず、何か黒い画面が現れて、少しして勝手に閉じたら、たぶん OK です(大雑把)。

5. Python ライブラリの追加インストール


依存ライブラリを追加インストールします。

ここが第三のハマり所で、wiki に記載されているカレントディレクトリの場所がなぜか違ってます。
\Python33\Tools\Scripts」と書いてあるんですが、バージョン番号を読み替えても、そこで実行するとエラーになります。
実際は「C:\Python34\Scripts」の方が正解。
CUI 慣れしている人以外は、Windows エクスプローラーで「C:\Python34」に移動して、[Shift] キーを押しながら Scripts フォルダーを右クリックしましょう。コンテキストメニューから [コマンド ウィンドウをここで開く] を選ぶと、そこ(C:\Python34\Scripts)でコマンド プロンプトが開きます。


以下のコマンドを順に(1 行ずつ)入力して Enter キーで実行します。
pip install Pygments
pip install Markdown
pip install docutils
pip install Markups
スペルミスが気になる方は、コピペした方が確実でしょう。


ライブラリによって少し時間がかかるものもあります。warning が出るかもしれませんが、基本的にエラーで止まらなければ、問題ありません。


6. ReText 本体の導入


ようやく ReText 本体をダウンロードします。

http://sourceforge.net/projects/retext/files/latest/download


自分の場合は、ReText 5.0.1 が最新でした。
落としたら、解凍します。tar.gz アーカイブなので、対応する解凍ソフトが必要です。
自分は Lhaz を愛用しているので、それで解凍しています。


7. ReText アイコンパックの導入


ReText アイコンパックを落とします。

http://sourceforge.net/projects/retext/files/Icons


なんで本体とアイコンが別なのかは不明です。
やはり tar.gz なので、対応する解凍ソフトで解凍しましょう。
なお、解凍するとアイコンファイル群が直接展開されるため、解凍先を適当にデスクトップとかにすると、デスクトップがアイコンファイルで埋め尽くされるという事態が発生します。
新規フォルダー内に解凍するか、または次節で説明するアイコンの格納先フォルダーに直接解凍してもいいでしょう。


8. アイコンを移動


解凍したアイコンファイルを、ReText\icons フォルダー内に移動します。
手順 7 で icons フォルダーに直接解凍した場合は、もちろん移動不要です。


9. ReTextを起動


ReText フォルダーを [Shift] + 右クリックして、コンテキストメニューから [コマンド ウィンドウをここで開く] を選びます。
コマンドプロンプトが起動するので、下記のコマンドを入力して Enter します。
python retext.py
ここも軽微なハマり所で、wiki には「python3 retext.py」と書いてあるんですよね。自分の環境では「3」を付けるとダメでした。

これで ReText のウィンドウが表示され、コマンド プロンプトにも特にエラーが出ていなければ、成功です。


10. 今後の展開


今回はとりあえずインストールまでで締めますが、元の wiki にはショートカットの作成やポータブル化の手順も載っているようなので、Windows 環境で ReText をあるていど使い続けるようなら(まだ不明)、ちょっとずつやっていきたいと思います。

最後に、ライブプレビューの状態でインスコ記念画像をどうぞ。


追記:
なんか PyPI に ReText が登録されているっぽいですが、なら最初から pip でイケるんじゃ?という疑問がわいています。詳しい方、どうなんでしょうか…?

1 件のコメント:

  1. 分かりやすい記事をありがとうございます。2015/12/30 時点での差分を書きました。ご参考まで。http://qiita.com/uchan_nos/items/e719d83e3dac290d6941

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