2012年6月29日金曜日

フリーの BlueGriffon 公式アドオン Opquast アクセシビリティ チェッカー

が登場しました。

BlueGriffon 公式からのリリースです。

自分はアクセシビリティに詳しくないのでアレですが、フランスに Opquast という団体だかプロジェクトがあるらしく、そこが公開しているチェックリストを BlueGriffon の開発元がツール化したものが、今回のアドオンらしいです。

現時点で BlueGriffon の最新バージョンは 1.5.2 ですが、次期リリースにはこのアドオンが標準で搭載される予定です。

安定版のリリース前に実物をチェックしたい方は、OS が Windows 64bit であれば、htguard さんの Unofficial BlueGriffon がすでに対応しています。

Unofficial Mozilla update infomation

また Mac であれば、自分は確認していないので保証はできませんが、もしかしたら nightlies が対応済みになっているかもしれません。

Index of /freshmeat/nightlies/latest

ちなみに、冒頭でリンクした公式サイトのリリース アナウンス記事からもアドオン単体で入手できますが、古いバージョン(すでにバグフィックスが数回発生しています)へのリンクになっていますので、そこは避けたほうがいいです。


以下、実際に使用してみた感想です。

ツール自体はモードレス ダイアログで起動します。つまり、ダイアログを出しっぱなしにしておいて、BlueGriffon のメイン画面で並行作業できます。

そして、チェック実行のためのボタンがありません。ダイアログにフォーカスが移ると、自動的にテストが開始されるんですね。この UX は使い勝手がよく考えられている印象です。

アクセシビリティ チェッカーをパスしなかった項目を BlueGriffon で修正して、再テストしたいときは、ただ単にダイアログをクリックしてアクティブにすればいいんです。そうすると勝手に再テストしてくれます。明らかに、ツールと本体を行ったり来たりしながら修正を繰り返していくフローを想定して、練られた感じがします。また、ダイアログの上部に合否の結果が進捗バーの状態で表示されますけれど、緑の部分をクリックすれば合格したテストのみフィルタされ、赤い部分をクリックすると失格したテストのみフィルタされます。周囲の白い余白部分をクリックすると、フィルタリングが解除されます。非常に直感的に操作できます。

テストは BlueGriffon のアクティブ タブに対して実行されますが、プレビューモードでも、ソース表示モードでもテストできます。ただしソース表示モードだと(おそらく実装上の制約により)一部のテスト項目が対象外になります(合否が付かないので、結果は白背景で表示されます)。

とてもシンプルで明快なので、使い方は何の説明も要らないくらい簡単です(実際、何の説明もついてません)。

それでも 80 項目以上にわたってアクセシビリティを検証してくれるというのは、大きいです。Web ページ制作の最終段階でチェックを入れれば、これで質をかなり向上させることができるのではないでしょうか。


ひとつだけ難を上げるなら、パスしなかったテストに関して特に詳細情報が出ないのは、やや残念に感じます。どの箇所で失敗したのか表示されるとよいと思うのですが、現状では失格した項目の該当箇所については、自分で洗い出さなければなりません。

あと、これは問題点というより自分がアホなだけなのですが、Windows 版で最初に使ったとき、閉じるボタンすらないので、閉じられませんでした(Mac のダイアログは、UI に閉じるボタンがある)。Esc キーで閉じられるんですが、それに気づくのにしばらくかかりました…。


BlueGriffon のアドオンは、けっこう有償のものが多いので、標準のフリーアドオンが増えるというのは、うれしいニュースですね。作成した HTML 自体が標準に準拠していたとしても、アクセシビリティはまた別の話ですから、多くの人の目に触れるページであれば、やはりこういうツールを使ってアクセシビリティにも配慮するのが良いと思います。

ちなみにこのアドオンの日本語ローカライズは自分がやりましたが、アクセシビリティに関する知識は特に無かったので、訳語が不適切な箇所があるかもしれません。変な箇所を見つけたら、コメントでご指摘いただくか、修正パッチを貼っていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。


2012/7/6 追記:

少し補足しておきますが、このアドオンの元の名前が Opquast Accessibility First Step であることから察しがつくように(と言っても意訳したので、日本語版からは察しようがありませんが)、このチェックリストでチェックできるのはアクセシビリティの最初の一歩レベルらしいです。これをパスしたから万全とかそういうことにはならないので、ご了承ください。

あとチェックリストの49番と53番は、意味がほとんど同じように見えます。一応そのまま訳しましたが、自分は翻訳時に違いがどうしても分からなくて、アドオン作成元 (Daniel G.) に確認しました。彼も違いが分からなくて、チェックリストの公開元である Opquast に問い合わせ中です。他の方も疑問に思うかもしれないので、念のためここに追記しておきます。

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